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R+Wのカップリングで自動化設備を改善


産業界における自動化はますます進んでいます。工程がより複雑で、より速く、より自由自在になるほど、関係するそれぞれの部品と駆動装置が正確に動作することがより重要になります。これを確実にするために、R+Wは最も厳しい要求をも満たす特殊なカップリングを提供しています。


今日の複雑な自動生産ラインは、より速く、より効率的に、より経済的に製品を加工します。求められる性能、安全性、および製品寿命を実現するために、企業が高度な技術に頼ることは問題ないでしょう。労働力が減少したり、設備停止が発生したりすると、多額の経済的損失を被る可能性があります。その中でカップリングは、駆動装置が確実に作動するために重要な役割を果たします。

 

お客様の条件にぴったりの特別なカップリング  

R+Wはドイツに拠点を置く世界有数のカップリングメーカーです。材料供給や組み付け、搬送など自動化技術向けの標準品だけでなく、お客様の条件にぴったりの特殊品も対応可能です。特殊なカップリングを製造する過程ではお客様の要求を詳しく聞き、カップリングの開発を行います。

最近の例では、食品充填設備のサーボモータと弁棒の間でトルクを伝達するための精密カップリングについて問い合わせがありました。カップリングは、5N・mのトルクをバックラッシュなしで正確に伝達し、また22.5N・mの最大トルクに対応する必要がありました。お客様は回転方向の剛性のほかに、全長が短くコンパクトで、また垂直方向に取り付けられるため、3.5kgの重量に耐えられるよう設計する必要がありました。しかし、課題はそれだけではありませんでした。24時間365日稼働し続ける中、カップリングにかかる最大100Nの引張荷重と圧力荷重や偏心、偏角、エンドプレイを考慮する必要がありました。どれも複雑な条件です。

 

小さな本体で抜群の性能  

それにもかかわらず、R+Wの技術者はすべての要求を満たすカップリングを開発しました。カスタマイズされた製品は、R+WのMBK2/15(図1)のベローズ形カップリングを基にしています。垂直に設置され、引張荷重と圧力荷重を受けるため、カップリング内部は軸をサポ―トできるように特殊な設計がされており、最大100Nの引張荷重、圧力荷重に耐えることができます。同時に、回転方向の剛性が高いベローズ(図2)は、取り付けた際に発生する駆動側と被動側のミスアライメントを許容します。最終的には、カップリングの全長を59 mm、外径を49 mmまでにすることで、お客様がご希望のコンパクトな設計を実現できました。

R+Wでは、ハイテク材料を使用しており、小さなサイズであっても抜群の出力密度を実現しています。カップリングは食品加工業の厳しい衛生条件に対応するために、溶接接合によるステンレス鋼製に変更して製造されました。ステンレス鋼は耐食性に優れ、このような環境下で使用される強力な洗浄剤や高温にも耐えられます。その結果、お客様は、取り付け後の機械的な負荷だけでなく、厳しい環境にも強いカップリングを手に入れることが出来ました。

 

お客様にとってのメリット

お客様のニーズに合わせて特別に開発したカップリングによって、お客様にもたらされるメリットは様々です。主な改善点の1つは、充填設備で日常的に行われる洗浄とメンテナンスに関するものです。カップリング内蔵のサポートにより、サーボモータと弁棒をシステム内の装置として持ち上げることができます。これにより、洗浄にかかる時間だけでなく、どんな充填装置にも合うため、取り付けにかかる時間も短縮され、設備のサイクルタイムが大幅に向上します。24時間365日稼動に対応できるように設計されたこのカップリングにより、担当者は生産性を向上させ、市場での立ち位置をより良いものにすることができました。

 

製薬会社の複雑な課題

生産工程の効率性と安全性を高めたいという要望も、新しいお客様がR+Wにやってくる理由の1つでした。製薬業界で事業を展開するこのお客様は、製造工程の柔軟性に対する需要の高まりに直面しています。また、日ごろから製品や工程の変更を行う必要があります。つまり生産設備全体が、必要に応じて工程順序などを変更できるような構造が必要ということです。

調整可能な可動式の「テーブル」もまた、医薬品や化粧品のさらなる加工において重要な役割を果たします。この設備には回転軸に固定された、可動式テーブルがあります。ある工程では、合計500~1,000個の充填されたバイアル瓶がテーブルに搬送、一時保管され、その後スライダによって次の工程に移ります。しかしながら、工程間のこの接点もまた、重要な課題となりました。

製薬会社は、どんなバイアル瓶の形状にもどんな薬品にも対応するために、柔軟性のあるバイアル搬送装置を使用することにしました。しかし荷重によっては、テーブルが旋回点に対して最大0.3mm傾斜する可能性がありました。傾斜による段差によって搬送時に衝撃が発生し、バイアル瓶が落下する可能性があります。このため、可動式テーブルとその前後工程の装置が接触するポイントに、段差が生まれないようにする製品を必要としていました。

お客様は以前、テーブルの回転や調整にサーボモータを使用し、ノーマリークローズのセンサを使用していました。この駆動装置では、振動減衰性のあるエラストマ形カップリングが、減速機と回転軸の間の動力を伝達し、軸のミスアライメントを許容します。サーボモータが機械のシステムを動かし、確実にテーブルの位置合わせができるようにしていました。この方法で荷重による傾きは防げましたが、頻繁な段替えなどにおいてはパラメータの変更が必要となるため、まだ多大な労力が必要でした。このため早く、正確に次工程へつなげるためにバイアルを一時保管する工程はより複雑なものになってしまいました。

 

回転方向の剛性が高い特殊品  

答えはR+Wにありました。R+Wの技術者たちは、必要な回転方向ばね定数、最大ねじれ角度、必要なトルクに完全に対応できるように設計されたベローズ形カップリングを開発しました。柔軟性の高いエラストマ形カップリングの代わりに、回転方向の剛性が高いベローズ形カップリングが使用されることになったため、テーブルの剛性が高まり、バイアル瓶の重さがあっても傾くことがなくなりました。これでバイアル瓶がまっすぐに次工程へ搬送されるようになりました。R+Wが開発した特殊なカップリングの機能により、コストのかかるセンサと電気制御回路の必要性もなくなりました。時間のかかる調整作業は、もはや必要ありません。

バイアル瓶は1つ250ユーロを超えるような場合もあり、テーブルに何らかの保護を追加するという要望も追加されました。R+Wはこの特殊なカップリングに、ベローズ破損保護を設計し、再び最適な製品を提供しました。カップリングの寸法は変更されていません。例えばトルク過負荷などにより最悪の事態が発生してベローズが破損した場合でも、ハブが互いに確実にかみ合い、最低限の機能を維持します。つまり、テーブルが傾いたり倒れたりすることはありません。

お客様にとって、この新しい概念はメリットと言って間違いないでしょう。ドライブトレインが簡素化されたことで、複雑なセンサや制御の必要性がなくなり、何度もテーブルを調整する必要もなくなりました。また、R+Wのカスタマイズが可能な製品により、製品や工程の変化に対しても、効率的にシステムを適応させることができるようになりました。これによりコストと時間の両方が削減され、生産性が向上しました。さらに、ベローズの破損防止機能が内蔵されているため安全性が向上し、確実で安定した工程が実現できます。お客様が今後も柔軟に生産に対応し、それぞれの顧客のニーズを満たし、市場の動向に追随するのに貢献するでしょう。

この例は、自動生産ライン工程がカップリングによってどのように改善されるかを示しています。高いはめ合い精度に加え、ハイテク材料と高品質な加工も重要な役割を果たします。R+Wのカップリングは、標準品でも特殊品でもこれらの基準を満たし、駆動装置に組み込むことで、生産ライン全体が途切れなく稼動するのに不可欠な役割を果たします。

 

自動化用途向けの様々な標準品

カップリングのカスタマイズはR+Wの特長の1つですが、標準品もカップリングに求められる様々な条件に対応しています。ドイツを拠点とするこのメーカは、剛性の高いベローズ形カップリングだけでなく、自動化技術のための高い安全性を備えたエラストマ形カップリングもご用意しております。

MSKシリーズ、MELSシリーズの安全クラッチ (図3) は、MSLシリーズと同様にトルク過負荷発生時に駆動被動間を保護します。MSLシリーズは軽量で、コンパクトな寸法と小さな慣性モーメントにもかかわらず高い出力密度を実現します。振動減衰性のあるエラストマ形カップリング(図4)は、衝撃吸収やミスアライメントを許容する必要がある場合に使用されます。R+Wのすべてのカップリングは、クランプ、テーパーロック、キー、フランジ締結など、サイズも締結方法も様々な製品をご用意しております。

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