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MBK2|記事一覧

白と黒で時代の流れに乗る


R+Wはこの1年で明確な差別化を図っており、ハノーバーメッセでは、白と黒に分けて展示しました。白は精密製品分野、黒は重工業分野を表しています。代表のFrank Kronmüllerは「当社の専門化戦略は、カップリング部品に対する要求がより特殊になるにつれて必然的なものでした。駆動技術における新たな用途の数は増え続けており、特殊なカップリングが必要とされています。これは、どのシリーズにおいてもかなり特殊な製品を求められていることから明らかでしょう。」と説明しています。


ハノーバーメッセで注目されていたのはエネルギー分野でした。この分野では、大規模な発電所による一方的な供給から、消費者と生産者の相互ネットワークへと、市場が大きく変化しています。消費者は生産者にもなり、その逆の場合もあるでしょう。「統合エネルギー」への傾向は、展示会でのメイントピックの1つです。バイオガスプラント、マイクロガスタービン、風力、水力による発電などにはすべて、適切なカップリングが必要です。

 

エネルギー分野の事例  

例えば風力発電の場合、いわゆるピッチ制御システムは、ロータブレードの傾斜(ピッチ角)を測定し、監視し、制御することで、風の状態が変化にしても一貫した能力を発揮することができます。正確な位置決めには、ゼロバックラッシでメンテナンス不要のベローズ形カップリングが使用され、正確な位置決め、高い再現性、信頼性の高いトルク伝達を組み合わせています。R+Wは、MBK2シリーズを基に大型洋上風力発電所向けの特殊品を開発しました。外洋での厳しい環境条件に耐えることができるように、鋼製のハブには特殊な表面仕上げを施しており、ハブとベローズは溶接で接合されています。

カップリングはバイオガスプラントでも活躍しています。メタンがガスエンジンに送り込まれ、レシプロエンジンで発電します。このバイオガス基質は、前処理の破砕工程において、石などの固体粒子の不純物が混ざり、システムにコストのかかる損傷をもたらすことがあります。そこで、信頼性の高い保護装置として、振動減衰および衝撃吸収が可能なエラストマ形カップリング付き安全クラッチをご提案しました。例えば駆動被動間を接続するためにMELS2シリーズを実際に使用しました。さまざまなショア硬さが選択できるエラストマインサートは、あらゆるミスアライメントを許容し、用途に応じた振動や衝撃を吸収します。固形物によってツマリが生じ、結果としてトルク過負荷が生じた場合、あらかじめ設定された遮断トルクによって、カップリングは、ばねを利用したボールソケット式の機構により、数ミリ秒以内にエンジンとロータを遮断します。これにより損傷を防止し、設備停止時間を短縮します。

3つ目の例はマイクロガスタービンです。分散型発電設備で使用されることが多く、高負荷に曝されることも少なくありません。あるプロジェクトでは、小型ベローズ形カップリングが年間を通じて常に10N・m、7万r/minの速度で確実に作動する必要がありました。R+Wでは、MK 2/100を基に、特殊なベローズによって必要な安全マージンを確保し、ベアリングの損傷がない限り工程内で発生する復元力を低減する特殊な製品を開発しました。標準品の約4倍のトルク過負荷に耐え、作業者に十分な信頼性をもたらすでしょう。

 

自動化の精度 

ハノーバーメッセで注目され続けているもう1つのトピックは自動化です。高度に自動化された工業製品の生産ラインには、ガントリーローダーや産業用ロボットなどに正確なモーションシステムが必要です。ダイナミックな多関節ロボットは、多くの生産ラインにおいてサイクルタイムの短縮に貢献しています。これには、速度、精度、加速度など、高い要求に対応するように設計された駆動部品が必要です。

R+Wは、MELシリーズのエラストマ形カップリングを、産業用ロボットなどの用途向けに開発しました。伸縮性のあるエラストマインサートは、高い柔軟性と優れた強度を同時に実現します。振動や衝撃の減衰効果を持ち、軸のミスアライメントを許容することができます。

エラストマ形カップリングの設計には多くの条件が関わります。荷重、起動、温度要因は、エラストマインサートの耐久性に影響します。インサートは、様々なショア硬さが選択できるため、振動減衰性、剛性、ミスアライメント許容において、ほぼすべての用途に対して適切な解決策が見つかるでしょう。位置決め精度が優先される場合には、ベローズ形カップリングを選択することもできます。R+Wの設計者は、適切なカップリングをおすすめできるように経験を積んでいます。

 

カップリング業界のインダストリー4.0  

自動化と密接に関連しているデジタル化は以前から注目を集めており、無人化による自動化レベルの向上に伴い、精密な作動部品や機能的な安全対策が求められています。インダストリー4.0の時代には、カップリングは生産性を向上させる重要な役割を担い、必要な安全性を確保することができます。

Kronmüllerは「最新の自動化生産ラインでは、考え抜かれたデジタル戦略「インダストリー4.0」でも、カップリングは重要な部品として残っています。これはトルク伝達だけではなく、安全装置としての役割も担います。」と強調します。例えば、機械式安全クラッチが有利な点は、駆動系を遮断するまでの速度であり、これは、電子式あるいはセンサによる手段を大きく上回り、不具合も発生しにくいことが挙げられます。

「電子制御によって遮断する場合には、少なくとも15~17ミリ秒かかります。安全クラッチは3~5ミリ秒以内に反応するため、勝者は明らかです。さらに、センサは不具合の原因となることがあるため、意図せぬ作動停止をしないよう定期的に確認する必要があります。」1つの軸に対して必要なのは1つの安全クラッチだけで、容易に調整ができ、さまざまな取り付け方法に対応しています。「これはカップリングの大きなメリットとなるでしょう。」とKronmüllerは述べています。

R+Wはお客様の生産ラインのデジタル化をサポートしたいと考えており、常に新しい用途を探しています。同時に、標準品についてもできる限り多くの用途に対応できるよう、既存の製品ラインナップを編成し直し、拡大しました。サイズの整理と部分的な再設計により、R+Wは今後の傾向に十分対応できると考えています。

 

ハノーバーメッセについて

「私たちにとって、ハノーバーメッセには2つの目的があります。1つは当然、私たちの技術と製品を紹介し、新しいお客様に良い印象を持ってもらいたいと思っています。これが展示会の最重要点です。もう1つは、ここで紹介されているトレンドとイノベーションです。市場の方向性や、どのような用途に対応する必要があるかを見極める良い指標となります。展示会では、当社の製品を使用することにより改善可能な技術を体験できます。これはとても刺激的なイベントです。」—Frank Kronmüller

カップリングを、塵埃の多い環境や液体、強力な洗浄剤などと接触する可能性のある環境で使用する場合に備え、R+Wは内部部品を密閉することを可能にしました。これは同時に、カップリングからグリースが漏れないようにする機能も果たします。この設計では、全部品がハウジングに完全に内蔵され、特殊なシールが施されます。特別に開発されたOリングは、カップリング本体に装着され、大きな移動リングで覆います。この製品は、外部からのあらゆる影響から保護し、クリーンルームでも使用できます。

 

製品ラインナップの方針 

「カップリングは繋げるのになくてはならない存在です。しかし、本当にカップリングが特別な存在であり、差別化されているところは、付加的な機能の部分です。R+Wではお客様と密に連携し、特殊な用途向けの製品を実現しています。これらの特殊品は、技術的な観点において常に一歩先を行くものであり、市場のニーズに応えるものであるため、私たちとしても高く評価しています。特殊品の開発により得られた知識は、標準シリーズに順次展開され、多くのお客様にメリットをもたらします。どちらも当社にとって重要ですので、将来的には特定のカップリングを指定する必要はありません。」—Frank Kronmüller

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R+Wのカップリングで自動化設備を改善


産業界における自動化はますます進んでいます。工程がより複雑で、より速く、より自由自在になるほど、関係するそれぞれの部品と駆動装置が正確に動作することがより重要になります。これを確実にするために、R+Wは最も厳しい要求をも満たす特殊なカップリングを提供しています。


今日の複雑な自動生産ラインは、より速く、より効率的に、より経済的に製品を加工します。求められる性能、安全性、および製品寿命を実現するために、企業が高度な技術に頼ることは問題ないでしょう。労働力が減少したり、設備停止が発生したりすると、多額の経済的損失を被る可能性があります。その中でカップリングは、駆動装置が確実に作動するために重要な役割を果たします。

 

お客様の条件にぴったりの特別なカップリング  

R+Wはドイツに拠点を置く世界有数のカップリングメーカーです。材料供給や組み付け、搬送など自動化技術向けの標準品だけでなく、お客様の条件にぴったりの特殊品も対応可能です。特殊なカップリングを製造する過程ではお客様の要求を詳しく聞き、カップリングの開発を行います。

最近の例では、食品充填設備のサーボモータと弁棒の間でトルクを伝達するための精密カップリングについて問い合わせがありました。カップリングは、5N・mのトルクをバックラッシュなしで正確に伝達し、また22.5N・mの最大トルクに対応する必要がありました。お客様は回転方向の剛性のほかに、全長が短くコンパクトで、また垂直方向に取り付けられるため、3.5kgの重量に耐えられるよう設計する必要がありました。しかし、課題はそれだけではありませんでした。24時間365日稼働し続ける中、カップリングにかかる最大100Nの引張荷重と圧力荷重や偏心、偏角、エンドプレイを考慮する必要がありました。どれも複雑な条件です。

 

小さな本体で抜群の性能  

それにもかかわらず、R+Wの技術者はすべての要求を満たすカップリングを開発しました。カスタマイズされた製品は、R+WのMBK2/15(図1)のベローズ形カップリングを基にしています。垂直に設置され、引張荷重と圧力荷重を受けるため、カップリング内部は軸をサポ―トできるように特殊な設計がされており、最大100Nの引張荷重、圧力荷重に耐えることができます。同時に、回転方向の剛性が高いベローズ(図2)は、取り付けた際に発生する駆動側と被動側のミスアライメントを許容します。最終的には、カップリングの全長を59 mm、外径を49 mmまでにすることで、お客様がご希望のコンパクトな設計を実現できました。

R+Wでは、ハイテク材料を使用しており、小さなサイズであっても抜群の出力密度を実現しています。カップリングは食品加工業の厳しい衛生条件に対応するために、溶接接合によるステンレス鋼製に変更して製造されました。ステンレス鋼は耐食性に優れ、このような環境下で使用される強力な洗浄剤や高温にも耐えられます。その結果、お客様は、取り付け後の機械的な負荷だけでなく、厳しい環境にも強いカップリングを手に入れることが出来ました。

 

お客様にとってのメリット

お客様のニーズに合わせて特別に開発したカップリングによって、お客様にもたらされるメリットは様々です。主な改善点の1つは、充填設備で日常的に行われる洗浄とメンテナンスに関するものです。カップリング内蔵のサポートにより、サーボモータと弁棒をシステム内の装置として持ち上げることができます。これにより、洗浄にかかる時間だけでなく、どんな充填装置にも合うため、取り付けにかかる時間も短縮され、設備のサイクルタイムが大幅に向上します。24時間365日稼動に対応できるように設計されたこのカップリングにより、担当者は生産性を向上させ、市場での立ち位置をより良いものにすることができました。

 

製薬会社の複雑な課題

生産工程の効率性と安全性を高めたいという要望も、新しいお客様がR+Wにやってくる理由の1つでした。製薬業界で事業を展開するこのお客様は、製造工程の柔軟性に対する需要の高まりに直面しています。また、日ごろから製品や工程の変更を行う必要があります。つまり生産設備全体が、必要に応じて工程順序などを変更できるような構造が必要ということです。

調整可能な可動式の「テーブル」もまた、医薬品や化粧品のさらなる加工において重要な役割を果たします。この設備には回転軸に固定された、可動式テーブルがあります。ある工程では、合計500~1,000個の充填されたバイアル瓶がテーブルに搬送、一時保管され、その後スライダによって次の工程に移ります。しかしながら、工程間のこの接点もまた、重要な課題となりました。

製薬会社は、どんなバイアル瓶の形状にもどんな薬品にも対応するために、柔軟性のあるバイアル搬送装置を使用することにしました。しかし荷重によっては、テーブルが旋回点に対して最大0.3mm傾斜する可能性がありました。傾斜による段差によって搬送時に衝撃が発生し、バイアル瓶が落下する可能性があります。このため、可動式テーブルとその前後工程の装置が接触するポイントに、段差が生まれないようにする製品を必要としていました。

お客様は以前、テーブルの回転や調整にサーボモータを使用し、ノーマリークローズのセンサを使用していました。この駆動装置では、振動減衰性のあるエラストマ形カップリングが、減速機と回転軸の間の動力を伝達し、軸のミスアライメントを許容します。サーボモータが機械のシステムを動かし、確実にテーブルの位置合わせができるようにしていました。この方法で荷重による傾きは防げましたが、頻繁な段替えなどにおいてはパラメータの変更が必要となるため、まだ多大な労力が必要でした。このため早く、正確に次工程へつなげるためにバイアルを一時保管する工程はより複雑なものになってしまいました。

 

回転方向の剛性が高い特殊品  

答えはR+Wにありました。R+Wの技術者たちは、必要な回転方向ばね定数、最大ねじれ角度、必要なトルクに完全に対応できるように設計されたベローズ形カップリングを開発しました。柔軟性の高いエラストマ形カップリングの代わりに、回転方向の剛性が高いベローズ形カップリングが使用されることになったため、テーブルの剛性が高まり、バイアル瓶の重さがあっても傾くことがなくなりました。これでバイアル瓶がまっすぐに次工程へ搬送されるようになりました。R+Wが開発した特殊なカップリングの機能により、コストのかかるセンサと電気制御回路の必要性もなくなりました。時間のかかる調整作業は、もはや必要ありません。

バイアル瓶は1つ250ユーロを超えるような場合もあり、テーブルに何らかの保護を追加するという要望も追加されました。R+Wはこの特殊なカップリングに、ベローズ破損保護を設計し、再び最適な製品を提供しました。カップリングの寸法は変更されていません。例えばトルク過負荷などにより最悪の事態が発生してベローズが破損した場合でも、ハブが互いに確実にかみ合い、最低限の機能を維持します。つまり、テーブルが傾いたり倒れたりすることはありません。

お客様にとって、この新しい概念はメリットと言って間違いないでしょう。ドライブトレインが簡素化されたことで、複雑なセンサや制御の必要性がなくなり、何度もテーブルを調整する必要もなくなりました。また、R+Wのカスタマイズが可能な製品により、製品や工程の変化に対しても、効率的にシステムを適応させることができるようになりました。これによりコストと時間の両方が削減され、生産性が向上しました。さらに、ベローズの破損防止機能が内蔵されているため安全性が向上し、確実で安定した工程が実現できます。お客様が今後も柔軟に生産に対応し、それぞれの顧客のニーズを満たし、市場の動向に追随するのに貢献するでしょう。

この例は、自動生産ライン工程がカップリングによってどのように改善されるかを示しています。高いはめ合い精度に加え、ハイテク材料と高品質な加工も重要な役割を果たします。R+Wのカップリングは、標準品でも特殊品でもこれらの基準を満たし、駆動装置に組み込むことで、生産ライン全体が途切れなく稼動するのに不可欠な役割を果たします。

 

自動化用途向けの様々な標準品

カップリングのカスタマイズはR+Wの特長の1つですが、標準品もカップリングに求められる様々な条件に対応しています。ドイツを拠点とするこのメーカは、剛性の高いベローズ形カップリングだけでなく、自動化技術のための高い安全性を備えたエラストマ形カップリングもご用意しております。

MSKシリーズ、MELSシリーズの安全クラッチ (図3) は、MSLシリーズと同様にトルク過負荷発生時に駆動被動間を保護します。MSLシリーズは軽量で、コンパクトな寸法と小さな慣性モーメントにもかかわらず高い出力密度を実現します。振動減衰性のあるエラストマ形カップリング(図4)は、衝撃吸収やミスアライメントを許容する必要がある場合に使用されます。R+Wのすべてのカップリングは、クランプ、テーパーロック、キー、フランジ締結など、サイズも締結方法も様々な製品をご用意しております。

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