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トルクディスク|記事一覧

カップリングが果たす役割

エンジンやモータ等駆動軸と設備の被動軸を繋ぐカップリングには4つの大きな役割があります。

1:駆動軸と従動軸のミスアライメント(心ずれ)を許容する
2:モータの振動を吸収する
3:モータの熱が従動軸に繋がるのを防ぐ
4:モータや機械の破損を防止する

カップリングを用いる主な目的は駆動軸と従動軸を繋ぎ、ミスアライメントを吸収することにありますが、カップリングの種類によって振動吸収や熱伝道を和らげる効果を高めることができます。またカップリングには、何らかの問題によって想定範囲外のトルクがかかった場合、カップリング自体が破断することで、大切な駆動機や従動機を守るという副次的な役割があります。我々メーカーとしては、カップリングに対して「安全装置としての機能」を保証しておりません。しかし、副次的な役割としてカップリングは自ら破壊されることによって、お客様の大切な設備を守る役割を果たしております。
今回はオルダム形カップリングが持つ他のカップリングにはない「安全機能」について解説しようと思います。


カップリングは消耗品

一般的に、カップリングは消耗品です。カップリングを使用するにつれ摩耗し、使用限界を超えた時点で交換が必要です。
オルダム形カップリングは本体であるハブの間に樹脂もしくは金属のトルクディスクが入っており、スライドすることで偏心、偏角を許容します。
駆動軸の回転動力を従動軸のある設備へと伝える過程でトルクディスクは徐々に摩耗していきます。マイティのオルダム形カップリングは標準ではめ合い部分にポリアセタール樹脂製のトルクディスクを使用しています。このポリアセタール・トルクディスクが持つバネ性と圧入によってオルダム形カップリングでありながら、ゼロバックラッシを実現しています。しかしながら、製品の使用過程でトルクディスクは摩耗していき、徐々にバックラッシが発生するようになります。バックラッシが発生した場合、トルクディスクを新しいものへ交換することで、再びゼロバックラッシになります。
その意味でオルダム形カップリングはハブ部分が破損しない範囲で使用し続けることができます。

※カップリングの寿命は、耐摩耗寿命から見れば、精密な芯出しを行いミスアライメントを小さくするほど延ばすことができます。


マイティのオルダム形カップリングはハブを守る

マイティのオルダム形カップリングは独自のトルクディスク形状をしています。カップリングは先述したように万一想定範囲外のトルクがかかった場合、カップリング自体が破断することで、大切な駆動機や従動機を守るのですが、マイティのオルダム形カップリングは独自のトルクディスク形状によって破断後ハブを守ることができます。

こちらはオルダム形カップリングからトルクディスクを除いた写真です。マイティのオルダム形カップリングは左右のハブが離れているのでトルクディスク破断時にも左右のハブ同士がぶつかり干渉することはありません。ハブ本体が守られるのでトルクディスクを新しいものへ交換するだけですぐに設備を稼働させることが可能です。

こちらはエラストマカップリング。オルダム形カップリングと同様にハブ分離型のカップリングですが、こちらは想定以上のトルクがかかった場合、ハブの金属同士が衝突しますのでハブも破断してしまいます。エラストマを交換して再使用することはできません。

オルダム形カップリングはトルクディスクの交換によって再利用が可能とお伝えしましたが、ハブ部分も当然摩耗します。写真のようにハブ部分が摩耗してしまうと、十分にトルクを伝達することができません。トルクディスクを交換する前に必ずハブ部分を目視し摩耗の状態を確認してからトルクディスクを交換するようにしてください。

 


マイティのオルダム形カップリングとトルクディスク

マイティが取り扱うオルダム形カップリングは無垢の棒材から切削加工によって1つ1つ丁寧に製作しており、高い精度と剛性を有しております。お客様の細かなニーズに最短納期でお応え、豊富なラインナップを取り揃え、お客様のニーズに合ったセミオーダーメイドが1点から可能です。

標準規格の製品が合わない

短納期で欲しい

他社で対応を断られてしまった

このようなお悩みがありましたら、ぜひ一度弊社までご相談ください。

トルクディスクとは?

トルクディスクとは、オルダム形カップリングのハブにある突起を用いてハブとハブを繋ぐ中間部品のことです。JIS工業規格では「スライダ」と呼ばれメーカーによって「スライダー」「スペーサ」と言った呼び方をされています。

 


トルクディスクの形状

トルクディスクの形状には大きな分類として「止まり穴タイプ」と「貫通穴タイプ」の2種類があります。

止まり穴タイプ

「止まり穴タイプ」はハブへの軸の挿入量を常に一定にすることができます。マイティではお客様からのご指定がない場合、全てのオルダム形カップリングのトルクディスクを「止まり穴タイプ」で対応させていただいております。

 

貫通穴タイプ

「貫通穴タイプ」はハブを貫通穴にすることで取付け時に駆動機もしくは被動機を動かす必要がないため作業をスムーズに行うことができます。
一方、トルクディスク単体の総合的な強度は「止まり穴タイプ」に比べて低下します。また取付け時に軸挿入量を一定に調整する必要があります。

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