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MLP3|記事一覧

 


製鉄は一貫した工程として設計されるため、故障が発生しにくい部品が頼りです。長年、剛性の低いカップリング付きのローラコンベヤの駆動を使用していた事例がありました。しかし、このような仕組みは摩耗しやすく、また頻繁なメンテナンスが必要でした。これを剛性の高い板ばね形カップリングに置き換えれば、もう面倒なメンテナンスは不要です。


一般に、製鉄設備で使用される弾性軸継手は、剛性の低いものと高いものの2つに分類されます。剛性の低いカップリングは振動を減衰させ、衝撃を吸収します。特殊なゴム化合物とポリウレタンによって不要な動きが下流の部品に伝わる前にふるいにかけられます。

 

高トルクは特別な課題

変化の激しい用途の場合、カップリングに作用するトルクが大きくなると、回転方向へのたわみは著しく増加し、時には数度にも及ぶことがあります。すると、駆動側から被動側に回転時の角度が正確に伝達されないことになります。このとき、剛性の低い、柔軟な弾性のあるカップリングにはある程度の磨耗が発生します。プラスチックやゴム製品の経年変化や脆性、また、プラスチックとハブの間の相対的な移動は、いずれ摩耗をもたらします。したがって、定期点検とミスアライメントを許容する部品の交換は不可欠です。剛性の低い弾性軸継手を選択する場合、メンテナンスの程度と頻度は考慮すべき重要な点です。メンテナンス上の理由でカップリングが破損した場合、コストのかかる重大な設備停止のリスクを抱えることになります。

 

振動減衰させない、正確なミスアライメント許容

次は剛性の高いカップリングです。これは歯車形カップリングのはめ合いや板ばね形カップリングの板ばねによって実現されます。通常35024,000Nmのトルクは、ハブに接続された板ばねによって摩擦力で伝達されます。よってスクリュと板ばねの間に発生する微小な振動はなくなり、カップリング全体の剛性が向上します。その結果、カップリングは磨耗せずメンテナンスは不要になります。対照的に、コンパクトな歯車形カップリングは、定期的なメンテナンスが必要でトルク伝達時はバックラッシがあります。

 

板ばね形カップリングによる工程の信頼性

板ばね形カップリングは、多くの用途、特に製鉄所など重工業向けとしての価値が実証されています。ドイツのクリンゲンベルクにあるR+Wの営業部北東チーム、Mirko Friesは板ばね形カップリングMLPシリーズを、効率的で洗練された製品としてお勧めしています。「MLPシリーズは、ハブと板ばねが摩擦力によって接続されているため、逆転が伴う場合でも最大限のトルクが伝達できると同時に耐摩耗性が高く、メンテナンス不要です。つまり、コストと労力が削減され、設備の稼働率と信頼性が向上します。」

MLPシリーズは、許容トルク35024,000Nmまでのサイズに対応しています。シングルタイプ(キー締結MLP1タイプ)とダブルタイプ(ゼロバックラッシでトルク伝達が可能なテーパーロック締結MLP3)のいずれかを選択します。シングルタイプは、偏角およびエンドプレイを許容し、ダブルタイプはさらに、カップリングや機械への影響が大きい偏心も許容でき、キーまたはクランプハブによる摩擦で軸とハブを締結するため、どのような用途にも合うカップリングです。Mirko Friesは次のように説明します。「R+Wの技術者が集まる経験豊富なチームが、適切なカップリングの選び方についてアドバイスします。起こりうる不具合を熟知しており、最も効果的で信頼性の高いカップリングをご用意いたします。」

 

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試験機向けカップリング


自動車産業の近代的な駆動系の開発は、設計者にとって大きな課題です。特定の条件を満たす部品1つを開発するのに、設計や計算は複雑さを増すばかり。試験機はこのような状況で重要な役割を果たします。試験機に使用される部品は、最高の性能を発揮する必要があります。カップリングメーカーR+Wは、そんな用途にぴったりの様々な製品をご用意しております。


試験機は、精密な試験、高精度な工程や寸法測定、柔軟性など、最高の条件を満たすためにあらゆることをこなす必要があります。そのためには、効率的で信頼性の高い、高性能なカップリングが必要です。カップリングメーカーは多くの試験に対応できる試験機に適したカップリングを提供するのに、設計・開発の際に技術仕様を複雑に組み合わせる必要があります。トルク、速度、バランス、剛性、ミスアライメント、慣性モーメント、スペースなどは、考慮すべき事項のうち、ほんの一部です。ある大手自動二輪車メーカーがR+Wに依頼をした案件では、高性能レース用エンジンを組み立て試験機で確実に試験と検査ができるように、再現性、制御性能、およびシステムダイナミクスに関して最高の水準を満たす必要がありました。この複雑な試験には、特殊品の製作が必要でした。

 

軽量設計と高性能材料

R+Wが技術系大学と共同で開発したMSLシリーズは、このような厳しい要求の用途に理想的な製品です。先端素材と特殊塗料を組み合わせた、軽量かつ小型で強力な設計。ボールソケットの原理により、ゼロバックラッシで安全に作動します。先端素材と特殊塗料によりMSKシリーズに比べて最大60%の軽量化を実現しています。例えば、MSLPの呼びトルク30は、トルク調整範囲は最大135Nm、質量200g、慣性モーメント0.1×10-3kgm2です。本体とフランジの特殊加工により、繰り返し精度+/-5%でミリ秒以内に反応できる安全クラッチを実現しています。MSLシリーズの安全クラッチは、許容トルクと寸法および質量の比率が世界市場においても他に類を見ないものとなっています。

 

精度向上のためのモジュール設計

レース用エンジン試験機の基本的な設計は、大量生産車のメーカーによって使用されているものとほぼ同じでしたが、この用途では700N・mのトルク、最大16,000r/minの回転速度をゼロバックラッシかつ高い剛性を維持したまま正確に伝達するという、非常に高い精度で大きな負荷を処理する必要がありました。軸を締結し、偏心、偏角、エンドプレイを許容するには、できるだけコンパクトな「ダブル」設計が必要でした。また、重量は最大でも5kgという制限と、非常に高いバランス等級も考慮しなければなりませんでした。その後、試験機上のすべての部品がうまく動作することを確実にするために、あらかじめバランス取りされたカップリングは、組み立て後に駆動系全体として再度バランス取りを行いました。

R+Wの技術者は、MLP3タイプの板ばね形カップリング(図1)を基に、条件をすべて満たす特殊品の開発に成功しました。高性能材料で製造され、回転対称構造のテーパーロックハブ使用したコンパクトで軽量のカップリングは、スペースと重量の制限を満たしながら、ゼロバックラッシで信頼性の高いトルク伝達を保証します。全体的な精度を実現するために、バランスウエイトを取り付けるための特殊な穴を設けました。これによって、組み立て後にカップリングの質量を変更して再度バランス取りを行うことが可能になります。耐久性の高い製品が新たに開発されたことにより、試験担当者は高性能エンジンの能力を試し、ようやくスタートラインに立つことができます。

 

トルク過負荷からの保護もカスタマイズで

トルクを遮断する安全クラッチは、試験機で使用される精密カップリングの一歩先を行きます。トルク計やギヤなどの駆動系部品を、トルク過負荷や設備故障による損傷から保護します。その結果、設備停止時間が短縮され、稼働率が向上します。

ある自動車業界のお客様の例では特殊な安全クラッチが採用されましたが、この用途でも、精度、サイズ、トルク、回転速度の条件を再考する必要がありました。結果、重工業分野安全クラッチMSTシリーズ(図2)の強化版が開発されました。このシリーズには、等間隔に配置された耐久性の高いトルクモジュールがあり、特に高トルク向けの用途に合わせて設計されています。また、7,000r/minの回転速度で確実に作動する必要がある上、トルク過負荷が発生した場合は2,000N・mの遮断トルクで駆動被動間を安全に切断しなければならないため、トルクモジュールはいっそう重要な役割を担っています。

特殊品は、標準品よりもコンパクトに設計されているため、非常に狭い空間にも取り付けが可能です。今回のカップリングは、外径わずか200mm、全長(付属品含む)263mm、最高回転速度7,000r/min、許容トルクは3,000N・mです。板ばねが内蔵されており、軸のミスアライメントを許容します。特にコンパクトであることに加え、ブレーキディスクなどの特殊な部品との締結が可能です。以前使用されていた他社製品とは対照的に、R+Wの製品には付属品も当初から含めて設計されました。完成品として、お客様はアダプタフランジなどによる不要な質量を排除し、コストも削減できました。

重工業分野MSTシリーズ安全クラッチは、標準で最大25Nmの遮断トルクに対応可能なボールソケット式クラッチです。特殊品の場合は、さらに高い遮断トルクも実現可能です。カップリングの円周上に等間隔で配置された耐久性の高いトルクモジュール(3)には、実質的にトルクの上限はないと言ってもよいほどです。トルク過負荷が発生した場合、あらかじめ荷重が与えられた安全クラッチ内のクラッチボールは、それぞれのソケットから押し出され、駆動被動間を完全に遮断します。プランジャの背面に取り付ける追加のスイッチプレートを利用すれば、センサまたはリミットスイッチによってカップリングが遮断されたかどうかを確認することができます。設備が停止したのを確認し、プランジャの背面に軸方向の力を加えれば、再連結が可能です。必要であれば、遮断トルクは簡単に調整できます。

 

多様性と開発と最適化  

R+Wの品ぞろえは、お客様の条件に応じて変化します。ここで説明したシリーズに加えて、例えば0.1~2,800N・mの小さな安全クラッチもご用意しております。安全クラッチだけでなく、さまざまなベローズ形カップリング、エラストマ形カップリング、歯車形カップリング、長尺形カップリング、板ばね形カップリングなどがあり、どんな用途にも適した製品をお客様に提供します。R+Wでは、今後の動向やますます厳しくなる条件に対応するため、お客様のご要望に応じて新製品や特殊な製品の研究開発部門を別に設けており、社内の静的/動的試験機では、さまざまな製品テストを実施することができます。R+Wには、あらゆる種類の試験機を最適化するのに適切なカップリングを選択するための知識と経験があります。よってお客様は確実な計画を立て、コストを最小限に抑えることができるのです。

 

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最高の精度とダイナミクスを実現するカップリング


カップリングメーカのR+Wは、国際金属加工見本市EMOのモットーに、「インテリジェント生産のためのコネクティングシステム」を掲げています。カップリングは、インダストリー4.0の時代であっても、設備オペレータにとって重要な役割を果たします。慎重に選択すれば、駆動系の性能を向上させ、速度、安全性、および精度を達成するのに不可欠なものとなるでしょう。


世界最大の金属加工見本市では、業界全体が最新の設備や効率の高い製品を発表します。EMOハノーバーでは、工作機械、生産システム、精密工具、自動マテリアルハンドリング、コンピュータ技術、産業用電子機器および付属品の切削と成形に焦点を当てています。またこの見本市は、その国際的な範囲と規模だけではなく、出展されているイノベーションの数が際立っています。2013年に開催された前回のEMOハノーバーでは、45%の出展者が新しく開発されたものを展示した、という調査結果がありました。カップリング専門メーカであるR+Wは、今年も機械市場にすばらしい革新をもたらすでしょう。

工作機械は、駆動部品にとって条件の厳しい用途です。効果的に稼働することを保証するためには、迅速に、柔軟に、そして正確に作動する必要があります。非常に高速でダイナミックな動きとともに、0に近い公差を持つ正確な位置決めが求められます。このようなシステムは、振動減衰、剛性、バランス、慣性モーメントなどが完璧に調整されて初めて正確に作動します。R+Wには、どのような条件の工作機械であっても適切なカップリングをご提案できる経験があります。

 

ダイナミックな荷重をコントロール 

カップリングは、駆動系の作動状態、そして最終的にはシステム全体に大きな影響を与えます。R+Wは非常にダイナミックな荷重と、正確な再現性および正確なトルク伝達を両立させることを目的とした、精密分野向けのさまざまなゼロバックラッシ対応カップリングをご用意しております。このタスクを実現するためにゼロバックラッシ対応製品には、振動減衰エラストマ形カップリング、剛性の高い金属ベローズ形カップリング、板ばね形カップリング、トルクを遮断する安全クラッチがございます。

ゼロバックラッシの精密機器分野エラストマ形カップリングは、振動を減衰すると同時に、高い位置決め精度のために適度な剛性をもたらします。また、0.5~25,000N・mのトルクに対応し、偏心、偏角、エンドプレイを許容することができます。適切に選択することで、エラストマ形カップリングのインサートが駆動系全体の振動を最適化します。R+Wはどんな要求にも対応できるよう、さまざまなショア硬さなどの特性を持つインサートをご用意しており、振動減衰性、剛性、電気伝導性、熱安定性の条件を満たすことができます。きっと、振動減衰と剛性の間で適当な中間地点が見つかるでしょう。エラストマ形カップリングの締結方法には、取り付けが簡単なクランプ、半割クランプ、コレット軸などがあります。MEL6SPタイプは、スピンドルドライブなどの高速回転向けに開発されています。エラストマインサートは振動を減衰する効果を持ちながら、圧入して取り付けられていることから、ゼロバックラッシを実現します。テーパーロックハブとジョーにより、高い同心度とバランスを維持したまま滑らかな動力伝達が可能です。

 

精度向上のためのモジュール設計

特殊素材に加え、それぞれの部品をスマートに圧縮することで、寿命や精度に影響を与えることなく、さらなる軽量化を実現しました。R+Wのために開発された特殊な皿バネは、ボールソケットの原理を進化させ、トルクを最大50%強化しました。ばね荷重を利用した機構により、お客様が求める、半永久的なゼロバックラッシかつ剛性の高いカップリングが完成しました。クラッチボールは、円錐状のソケットに固定されています。特殊な特性曲線を持つ皿バネにより、瞬時に、正確にトルク過負荷から保護することを可能にします。設定した遮断トルクを超えると、安全クラッチの出番です。クラッチボールは元の位置を離れ、トルクの流れが遮断され、残留摩擦がゼロになります。クラッチボールは、対応するソケットに固定されている間は動きません。これにより、予め設定された遮断トルクに達していない、通常稼働中はクラッチボールが摩耗しないようになっています。遮断時にばね荷重は低下し、移動リングも軽量なため、摩耗は最小限にとどまります。他の摩擦クラッチに発生するような環境要因による遮断トルク値の変化は論外です。

 

位置決め

ゼロバックラッシで高剛性のベローズ形カップリングは、工作機械、歯切り盤、その他自動化システムにおける、非常にダイナミックなサーボモータ軸に課される特有の条件に対応するのに理想的な製品です。これら精密カップリングは、位置決め精度が最優先される場合に使用されます。耐久性が高くと、メンテナンス不要な設計により、高い費用対効果と信頼性を実現します。ベローズ形カップリングは、0.05~10万N・mのトルクを伝達し、さらに偏心、偏角、エンドプレイを許容します。エラストマ形カップリングと同様にベローズ形カップリングも、最適な軸締結方法と組み合わせて長尺形カップリングのご注文も可能です。

 

高速回転対応製品

R+Wの新製品で高速回転に最適なのは、MBK3SPタイプのベローズ形カップリングです。このカップリングは外側のテーパーロックハブが特長で、回転速度が非常に速い場合であっても滑らかに作動します。回転対称性によって優れたバランス品質も保証します。前述した用途の他に、ベローズ形カップリングは試験機、紙工機械、印刷・ラベリング装置、包装機械にも使用されています。MKシリーズは、測定システム、制御システム、より小さなサーボドライブやロータリエンコーダーなどの用途に適しています。

 

クーラントが軸の中を通る!? 

EMOでは、高い耐久性と性能が求められる場合に理想的な、板ばね形カップリングの多彩な用途を発見する場でもありました。板ばね形カップリングは350~24,000N・mに対応しており、高い剛性を持っています。様々なタイプから選択可能で、ゼロバックラッシのテーパーロック締結が可能なMLP3(ダブル)とMLP4(シングル)は、特に逆回転のトルクにも適しています。

さまざまな標準品に加えて、中間軸にクーラント供給システムが一体化した特殊品もご用意しております。これは、特にDBSEが長い工作機械を扱うメーカにとっては、大きなメリットです。特別に設計されたこのカップリングは、パイプの両端にハブが固定されており、長い距離でもクーラントを直接工具に導くことができます。テーパーロックハブと動バランス取りによって、滑らかな動作と最小限の振動が実現します。さらに、軸のミスアライメントは、剛性の高い板ばねによって許容されます。耐久性が高く、強力なMLPシリーズは、お客様にシンプルな設計、短い組み立て時間、速い加工速度、永い寿命をもたらします。

MSK、MELS、とMSLシリーズのゼロバックラッシ精密機器分野安全クラッチは、0.1~2,800N・mに対応しており、多くのメリットを提供します。あらかじめ設定した遮断トルクにより、安全クラッチは、ギヤ、軸、ボールねじなどの機械部品を、トルク過負荷とその後の損傷から保護することができます。この機能により、故障時の設備停止時間を大幅に短縮します。R+Wの重工業分野製品のMSTシリーズは更に大きな最大25万N・m以上のトルクに対応できる製品もご用意しております。

 

R+Wアプリのバーチャルカップリング  

今年のEMOハノーバーもまた、R+Wの様々なカップリングをご紹介する素晴らしい舞台となるでしょう。しかし、そんなに長く待てない!という皆さまには、新しいR+Wアプリをご紹介します。バーチャルリアリティによって、お客様はこれまで以上に3次元的で双方向的かつ詳細に、さまざまなカップリングを体験することができます。製品に近づくための唯一の方法は、実際に触れることです。最新バージョンのアプリでは、安全クラッチの調整や再連結の方法などについて知ることもできます。バーチャルショールームでは、R+Wの可能性をご紹介します。R+Wは、このような革新的なアイデアによって、仮想的な方法だけでなく、実用的で大胆な方法で製品をお客様に提供しています。

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