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工作機械は機械工学分野の中でも幅広く使用される重要な機械の一種です。大部分は、フライス盤、ボール盤、旋盤、研削盤、鋸盤、成形機、歯切り盤に分類され、残りは、レーザー、ウォータージェット、ワイヤー放電加工機、シンカー放電加工機のような工作機械などを含みます。加工速度の高速化、機械強度の向上などの新技術により、これら機械や構成する部品に対する要求は高まり続けています。


 

工作機械内部の部品締結

工作機械の数だけ部品があります。共通部品である駆動源、リニアガイド、ツールホルダ、ワーク固定治具に加えて、ゼロバックラッシのカップリングなどの「繋ぐ」部品も含まれます。ここで特に注意しなければならないのは、ゼロバックラッシの金属ベローズ形カップリングとゼロバックラッシのエラストマ形カップリングが機械に及ぼす影響の違いです。条件は用途によって異なりますが、金属ベローズ形カップリングは最大限の剛性を、エラストマ形カップリングは振動減衰性を実現することを可能にします。次に、これらのカップリングが影響を受ける要素についてご説明します。

最新の金属ベローズ形カップリングは、一般にステンレス鋼のベローズとハブの2つの部品で構成されています。用途や仕様に応じて、ハブはフランジ、クランプ、コレット軸、テーパーロック締結が選択できます。一般的にハブはアルミニウム、炭素鋼、ステンレス鋼製です。ハブの表面を効率的かつ確実に保護するため、ニッケルめっき、クロムめっき、浸炭焼き入れ、陽極酸化処理および黒染めなどを施すことも可能です。ハブは、カップリングと機械の駆動側、被動側を接続します。ハブとハブの間のステンレス鋼ベローズは通常二重構造で、駆動被動間の偶発的なミスアライメントを許容します。これはドライブライン全体にとって重要な役目です。高剛性の金属ベローズ形カップリングは、一般的にトルク0.110,000Nm、軸穴径3180mmの工作機械の駆動装置で使用されます。

 当然、剛性の高い弾性軸継手は、回転方向に最大限の剛性を発揮する必要があります。ミスアライメントに起因する偏心方向の力によってドライブラインに力が加わらないように、偏心、偏角、エンドプレイ方向へのねじれも、できるだけ低く抑えなければなりません。金属ベローズ形カップリングは回転方向に非常に高い剛性があります。つまりトルクがかかった状態でもカップリングにはほとんどねじれ歪みが発生しないということです。概して、最大ねじり角度は0.05~0.1°の間にする必要がありますが、サイズを変更すればさらに高い歪み精度を実現することも可能です。この特性により、駆動被動間の動力伝達において、位相差を最小限に抑えることができるのです。

弾性と減衰特性の限界値がいっそう高まったことにより、弾性素材は、今日の機械工学の多くの分野で重要な役割を果たしています。駆動技術において、エラストマ形カップリングは、衝撃荷重や振動が発生しうる状況で衝撃吸収やねじれ振動減衰を果たすために使用されることが多くなっています。

エラストマ形カップリングは、エラストマインサートとハブの2つの部品で構成されています。金属ベローズ形カップリングと同様に、駆動側を被動側につなぐためにハブが必要となります。機械のインターフェースに応じて、クランプ、半割クランプ、テーパーロック、キー締結が選択可能です。エラストマインサートは、その設計と材料特性により減衰効果があり、容易にトルクを伝達し、軸のミスアライメントを許容します。ゼロバックラッシのエラストマ形カップリングによって、対応しているトルク範囲は通常225,000Nm、軸穴径は3170mmに及びます。

振動減衰性のあるエラストマ形カップリングは、機械の駆動装置から発生する振動と衝撃を吸収します。エラストマインサートは、その弾性によってトルクの衝撃を低減し、許容します。また、駆動被動間の振動を吸収し、軸全体の動きをより滑らかにします。

 

ベローズ形とエラストマ形カップリングの概要

それぞれ実際の選定はより複雑になる可能性もありますが、「ねじれを最小限に抑え正確に伝達することを優先しますか?それとも振動と衝撃を除去することを優先しますか?」という点が工作機械の関連分野において重要となるでしょう。

すべてのメーカーや機械に適した「1つのサイズですべてに対応」する製品ははまだ開発されていません。どちらのカップリングも、主にサーボまたはステッピングモータ、リニアモーション機構または切削工具スピンドルのいずれかを接続するのに使用されます。技術者や部品メーカーは、機械の状態を最適化するため、機械の制御、加速率、慣性モーメント比、送りねじのピッチなどに応じて、剛性の高い動力伝達(金属ベローズ形カップリング)または減衰効果(エラストマ形カップリング)を選択する必要があります。

2つのカップリングと特性の違いを見れば、新しい工作機械を製作する際に適切なカップリングを選択するときは慎重にならなければいけないことは一目瞭然でしょう。R+Wは、信頼性の高い製品を保証するために、それぞれの用途に関する経験と適切なアドバイスを提供いたします。必要な条件に適した製品を見つけられるよう、工作機械市場を支えます。小さくて高性能なカップリングを探している大手メーカーはもちろん小規模で特殊なメーカーからも、R+Wへの問い合わせは絶えません。

 

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<半割クランプの安全クラッチのご紹介>

<従来品との違い>

・半割りクランプハブで軸取付け

・取付けが簡単

・メンテナンス性の向上

今回ご紹介するのは押出機などを保護するために特別設計された工業用安全クラッチです。

この非常に頑丈な安全クラッチは、高トルク用途向けでコンパクトな設計となっています。トルクに過負荷が生じた場合、駆動装置と被駆動装置は数ミリ秒以内に切り離され、押出機などを損傷から保護することができます。

これは、故障による設備停止、コストのかかる設備修理代を削減するのに役立ちます。このモデルは、シンプルで迅速な再連結だけでなく様々なトルク調整範囲に加えて、その他にも沢山の価値ある利点をご提供致します。それは、振動減衰/衝撃吸収性のあるトルクリミッタ機能であり、エラストマのジョー・カップリングと一体化して設計されています。それらの特性により、軸方向、角度方向、横方向の軸ずれを吸収することができます。勿論ですが、トルクリミッタには、半割クランプハブやフランジキー締結ハブなどの各種の取り付け方法があります。この半割クランプハブは設置が大幅に容易になりメンテナンス中にモータを移動する必要がありません。

詳細はお問い合わせ下さい。

関連商品はコチラ

 

<クーラントチューブを内蔵したディスクパック・カップリング>

標準設計に加えて、弊社ではクーラントチューブを内蔵したバージョンをご提供できるようになりました。

これは、長尺のスピンドルドライブを備えた工作機械メーカー様に提供できる製品となるでしょう。

内蔵したチューブにクーラント液を流すことによりこのダブルディスク・スピンドル・カップリングを冷却させることができます。また、これらのカップリングは、高い動力で高速な用途に使用されることが多いため、軽量のCFRPやアルミスペーサーチューブが使用されます。さらに円錐形のクランプハブにすることで円滑な高速回転対応と強固な軸保持になります。

勿論ですが、駆動シャフトと被駆動シャフト間のミスアライメントは、高ねじり剛性ディスクパックによって吸収されます。

この頑丈で高性能なカップリングによりスピンドルの設定が容易になり、組み立て時間が短縮され動作速度が向上し、機械寿命がより長く保てるでしょう。

<従来品との違い>

・クーラント液を通液できる新機能

・使用環境温度が拡大

・温度上昇を抑え長寿命化

詳細はお問い合わせ下さい。

関連商品はコチラから。

<外部クランプリングにより強固に軸と締結する金属ベローズ・カップリング>

MBK3SP金属ベローズ・カップリングの新製品が追加されました。溶接部が溶接のため、80010,000Nmのトルクを伝達することができます。

外部クランプリング付きの従来モデルは、60500 Nmのトルクで使用することができました。

カップリングは、ベローズ本体に軸方向や半径方向の力を加えることなく、外部クランプ・テーパーソケットを介して取り付けることができます。

その結果、クランプ・テーパーソケットの利点であるハブとベローズ本体の変形はほとんど変形しません。

この金属ベローズ・カップリングは、高張力鋼構造により非常に頑丈な構造となっています。

また、高温を伴う用途でも安心して使用できる製品の一つとなります。

製品詳細はコチラから。

お問い合わせはコチラから。

<小型・振動減衰ラインシャフトのご紹介>

<従来品との違い>

・小型サイズを追加ラインナップ

・半割りクランプのため取付け/取り外しが簡単

・軽量のため取り扱いの容易さ

新しい小型サイズの振動減衰ラインシャフトMELZ2タイプのご紹介です。

選択するエラストマ・インサートにも依存しますが、これらのシャフトカップリングは外径25mm24Nmまでのトルクを伝達することができます。

製品の詳細はコチラから。

〇●〇マイティ情報配信メール〇●〇  【2018/07/06 Vol.2

https://mighty-corp.co.jp/?utm_source=180706&utm_medium=home

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このメールは名刺交換させて頂いた方、

資料請求やカタログダウンロードされた方へ配信しております。

配信停止・登録変更はメール末尾をご覧ください。

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日頃より弊社製品をご利用いただきまして、誠にありがとうございます。

先般の地震で被災された皆さまには心よりお見舞い申し上げますとともに

一日も早い復興をお祈り申し上げます。

 

初めまして☺メルマガ配信チームのレイチェル🍁です。

明日は「小暑」。織姫と彦星は年に1度のデートですね♡

全国的に雨が降り続いているようですが、皆さま、くれぐれもお気を付けください。

 

今回は新しい製品ラインナップと、リニューアルしたホームページの見どころをお知らせします。

どうか最後までお付き合い下さい☺

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目次

1.小型・振動減衰 ライン シャフトMELZ2 のご紹介!

2.R+W情報誌 「ドライブ」のご紹介!

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1.  小型・振動減衰 ライン シャフトMELZ2 のご紹介!

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ラインシャフトは、中間ハブがついた長尺カップリング。

これまでのラインナップでは最小外径32mmでしたが、

それをさらに下回る、25mmまで対応ができるようになり、

より狭いスペースでの使用が可能になりました。

 

500円玉より小さな外径にもかかわらず、

なんと3,000mmの長さまで、支持ベアリングなしで使用可能です!!!

3,000mmというとだいたい建物1階分の長さ😲

取り付けやすい半割クランプハブで実現しました。

 

小型・振動減衰ラインシャフトの紹介ページはこちら↓

https://mighty-corp.co.jp/syscore/wp-content/uploads/2018/06/e3c97a8f097c13b401d972bca3e47a8f.pdf

 

MELZ2タイプ製品情報はこちら↓

https://mighty-corp.co.jp/precision/coupling/line-shaft-coupling/melz2-type?utm_source=180706&utm_medium=seihin1

(残念ながらこのページに新しいサイズは掲載されておりませんので、

ご希望の方はお問い合わせください)

 

 

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  1. R+W情報誌ドライブ」のご紹介!

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「ドライブ」は年に2回程度発行される、

R+Wの最新の展示会や開発中の製品情報が盛りだくさんの情報誌です!

ちなみに、私レイチェルが担当しています😎

新しいホームページになって、「ドライブ」のバックナンバーが見やすくなりました!!!

【バックナンバー】

https://mighty-corp.co.jp/category/application/drive?utm_source=180706&utm_medium=joho1

Drive2017年第2号 特集:XXL サイズの安全クラッチ

https://mighty-corp.co.jp/syscore/wp-content/uploads/2017/11/RW_DRIVE_jp_2017_02.pdf

Drive2017年第1号 特集:ハノーバーメッセ

https://mighty-corp.co.jp/syscore/wp-content/uploads/2017/06/RW_DRIVE_jp_2017_01-1.pdf

Drive2016年第2号 特集:縮小版での実験

https://mighty-corp.co.jp/syscore/wp-content/uploads/2018/05/RW_DRIVE_jp_2016_02.pdf

 

もうすぐ2018年の第1号が発行される時期です。

またアップロードが完了したらお知らせします!!

皆さまお楽しみに~!!

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問い合わせ:(株)マイティ 営業部

464-8691 名古屋市千種区今池1-29-13

Tel: 052-733-6614

Fax: 052-731-8292

E-mail: product@mighty-corp.co.jp

URL: https://mighty-corp.co.jp/?utm_source=180706&utm_medium=home

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※このメールは名刺を交換させていただいた方、資料請求やカタログダウンロードされた方へ

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配信停止ご希望の方は、タイトルに「メルマガ配信停止」とご記入の上、

product@mighty-corp.co.jp へご連絡ください。

〇●〇マイティ情報配信メール〇●〇  【2018/06/26 Vol.1

https://mighty-corp.co.jp/

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 日頃より弊社製品をご利用いただきまして、誠にありがとうございます。

 先般の地震で被災された皆さまには心よりお見舞い申し上げますとともに

一日も早い復興をお祈り申し上げます。

 

入社1年目、メルマガ配信チームのAOTEA🐏です。

梅雨の晴れ間には太陽🌞のありがたみがしみじみ感じられますね。

私は夏が待ち遠しくてたまりません!

  

今回は新しい製品のご紹介です、

どうか最後までお付き合い下さい☺

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目次

1.重工業分野のページを開設しました。

2.重工業用ディスクパック・カップリングのご紹介! 

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1.重工業分野製品のページが新設されました!

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これまでの精密向けに加え、

風力発電や油田、製鉄所など向けの大きなカップリングにも

対応できるようになりました。

新しくできたページをぜひご覧ください!

https://mighty-corp.co.jp/

 

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2.重工業用ディスクパック・カップリングのご紹介!

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ディスクパック・カップリング(シリーズ MLP)に

6つの新しいサイズを導入しました。

印刷機、試験機、遠心分離機などに使用されています。

 

 

https://mighty-corp.co.jp/syscore/wp-content/uploads/2018/06/6e2582eabd6061901336c415e8c50b7d.pdf

製品詳細ページはhttps://mighty-corp.co.jp/rw/heavy-coupling/mlp-series から

 

CADデータダウンロードはコチラ。

https://mighty-corp.co.jp/caddata_dl 

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弊社ではカレンダーに準じ、ゴールデンウィーク期間中は、下記のとおり休業とさせていただきます。
何卒、ご了承の程、よろしくお願い申し上げます。


平成30年4月28日(土)~4月30日(月) 休業
        5月 1日(火)~5月 2日(水)  営業
        5月 3日(木)~5月 6日(日) 休業

   ※ 5月7日(月)から平常通りの営業となります。

高性能ドライブライン試験に不可欠な部品


自動車産業の電化がいっそう高まるにつれて、自動車試験工学分野は、高速で高トルクの電気モータを試験する必要性が急速に増加しています。騒音と振動の低減が重要視されるようになったことと相まって、ロータリ試験機の設計者は、試験機から重量、不均衡など駆動系特有の不必要な要因をこれまで以上に減らす必要性が高まっています。一般的な電気モータ用動力計の設計は、駆動モータ、カップリング、トルク計、被試験物、ブレーキモータなどの部品が最低限必要で、精密な弾性軸継手に対する必要性も高まっています。

ミシガン州デトロイトでは、ドイツのカップリングメーカーR+Wが自動車試験技術者からの技術的な課題に挑戦し、過去最高の性能を誇るカップリングを提供しています。ここでは、R+Wが材料、設計、バランスのカスタマイズによる最適化をさらに進める自動車試験技術の一例を紹介します。この案件では、非常に高い加速度でありながら、前例のないほど小さく、軽量で、慣性モーメントが低い20,000r/minの速さで750N・mまで伝達する弾性軸継手が必要になりました。

 

ぴったりの道具を

R+Wの応用エンジニアは当初から、性能的な目標を達成するには金属ベローズ形カップリングしかないと認識していました。他の精密な弾性軸継手とは異なり、金属ベローズは、回転中も非常に自然なバランスを保ち、全長は短く、同時に柔軟性も発揮する特殊な性能があります。トルクは210,000 Nmまで使用することができます。工作機械、試験機、梱包機、印刷機、繊維機械、自動化機器など変化の多い用途に採用されるのはこのためです。どんな用途にも対応できるように、素材、公差、寸法、性能など、さまざまな選択肢があらかじめ用意されています。もう1つのメリットは、ベローズの同心上に接着剤または溶接で組み付けたハブが、どのような設備にも取り付けられるようになっていることです。ミスアライメントや慣性モーメント、アンバランスを助長し大型のアダプタなしで機械に締結することができます。精密なベローズ形カップリングは、一般的にマンドレルで組み立てられます。マンドレルは、取り付け時にベローズに曲げ応力や圧縮応力を加えることなく、それぞれのハブを正確に同心上に組み付けます。これにより、機械のドライブラインに直接カップリングを取り付けることができ、性能を低下させることはありません。金属ベローズのさらなるメリットは、摩耗知らずの一体ものであることです。ベローズ形カップリングは剛性が高いので適切に取り付けられた場合、ミスアライメントがあっても、理論的には寿命は半永久的です。高速回転が求められる用途では、100時間も稼働すれば数億回転に達するため、特にメリットが感じられるでしょう。

 

最適な性能を発揮するためのカスタマイズ

この事例では、カップリングを駆動モータとフランジ付きトルク計間に設置することになっていました。モータ軸との締結はテーパーロックを使用しました。外側のクランプリングが、内部のテーパーを上に引き上げ、ハブを軸の周りで同心円上に押さえつけます。テーパー付きブッシュを使用する場合は、締め付けにばらつきがあると、カップリングが軸上で傾く可能性がありますが、クランプリングを使用すれば、取り付けミスによって傾くのはリングのみで、カップリングは軸穴の中心に保つことができるのです。最小重量と慣性モーメントの目標を達成できるように、クランプリングの材質はチタンGrade 5(ASTM規格)です。ハブの表面の周りには大きな貫通穴が配置されていますが、この穴には2つの役割があります。1つ目は、ハブの重さをより軽くすることです。そして2つ目はキャップスクリュがベローズ本体とハブを貫通し、反対側にあるトルク計のスクリュ穴に直接挿入することです。これにより、ベローズ形カップリングのフランジは極めて薄くなりました。最適な設計にするために、実際に使用するトルク計のロータをR+Wに送り、フランジの内径を研磨して軽い圧入ができるよう正確にすり合わせを行いました。これによりカップリングの軸穴から反対側のトルク計ロータまで、さらに高い同心性を確保することに成功しました。

弾性軸継手のバランスに関しては、ISOのバランス等級G1.0でこれほどの高速回転が実現可能かという問題が生じます。これに対する意見として、カップリングは柔軟な部品であることから、論理的にはこのレベルの精度でバランス取りを行うことができても、工具から取り外し、梱包し、出荷し、最終的にわずかなミスアライメントがある機械に設置すれば、実際のバランス等級は失われるというものです。バランス等級を可能な限り維持するために、この事例ではそれぞれのカップリングに、バランス調整アーバとサポートシャフトの両方として機能する専用のバランスツールを使用し、搬送中や取り扱い中にほんのわずかでもベローズが曲がるのを防ぎました。これにより、現場で取り付けを行う際、バランスツールからカップリングを慎重に取り外し、完璧な状態で接続することができました。

 

試験機向けカップリング製造におけるリーダーシップの伝統

R+W1990年の創業以来、回転試験機向けにカスタマイズされた精密カップリングや安全クラッチの設計、製造に携わってきました。その間に開発されたカップリングは、小型ベローズ形、エラストマ形、大型の板ばね形、150,000Nmまで対応可能なベローズ形カップリングなど多岐にわたります。2017年、世界最大のボールソケット式安全クラッチを製造し、最大2千万Nmの遮断トルクで洋上風力発電機用ギアボックスの試験を行いました。精密試験機向けのカップリング製造業界において、R+Wはさまざまな点で世界の技術をリードしています。業界が限界を超えていく中で、試験機メーカーと部品メーカーは、究極のカップリングを追求するために、引き続き協力していきます。

 

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R+Wは、風力エネルギー実験施設で使用するXXLサイズの安全クラッチを開発しました。現在ギネス記録に申請中です。


安全クラッチは回転機器が途切れること無く稼働し続けるのに重要な部品です。安全クラッチは、繊細な機械部品をコストのかかる修理はもちろん、長時間の設備停止につながるトルク過負荷による機械部品の損傷から守ります。損傷が発生した際、動力はミリ秒以内に遮断されます。したがって、安全クラッチを選定し使用する場合には、もちろん安全第一ですが、専門知識と精度が必要です。

R+Wでは、カップリングの特殊対応が日常業務の一部となっています。ドイツを拠点とするこの会社は、開発部門の経験値と専門知識により、経済界や科学界からはいつも詳細かつ過酷な条件の問い合わせを受けています。これには、国際宇宙ステーション(ISS)用の安全クラッチや、世界最大の機械で最も強力な粒子加速器である大型ハドロン衝突型加速器(LHC)用の分離アダプタタイプの金属ベローズ形カップリングなど、有名なプロジェクトも含まれます。

 

過酷な条件が創造性を生み出す

2017年夏には、21.5トンにもおよぶ世界最大の安全クラッチ、MSTF-20,000の取り付けも終わり、重要なプロジェクトが無事完了しました。このプロジェクトの条件は、全てが過酷でした。この注文は、デンマークの新しい風力エネルギー実験施設で、2つの6メガワットモータ用の伝達シャフトを製造していたスペインのカップリングメーカーからでした。トルク過負荷からの保護が必要で、手動で再連結が可能な安全クラッチを追加するには、これを専門とするパートナーの助けがどうしても必要でした。この特別な要求を満たすことができる唯一のメーカーがR+Wであり、20167月に開発を始めました。

「当社の設計仕様は、風力タービンによる膨大な負荷サイクル、それに応じて克服しなければならなかった何kNmもの範囲、スペイン仕様の構造のすべてに対応させました。」とR+Wの技術部部長Rainer Benzは説明します。これは実際には、安全クラッチが15,00020,000kNmの遮断トルクに対応するように設計されていることを意味します。一般的な安全クラッチでは、最大2,800Nmの切り離しトルクですので、通常の7,000倍に相当します。安全クラッチの条件は、外径4m、内径はわずか70cm、全長は47cmでした。「MSTF-20,000は、他の重工業分野安全クラッチと同じ原理で設計されていますが、寸法が標準とは少しだけ違います。」とRainer Benzは続けて説明しました。

 

設計に費やした7ケ月

7か月にわたる集中的な設計作業を開始してから、R+W開発チームはまず3Dモデルを作成しこの特殊な課題に取り組みました。実際のカップリングは、このバーチャルな試作品に基づいて製作されました。エンジニアはまた、未知の物理的パラメータを研究するために有限要素法を使用しました。従来の使用法や標準的なサイズでは通常発生しないカップリングの弱点を見つけることに注力しました。「風力エネルギー実験施設では、極端な荷重による変形や亀裂の危険性を極めて慎重に確認しています。長期間カップリングが安全に機能するには、この作業が非常に重要です。」とRainer Benzは付け加えました。設計担当者は、摩耗による故障を防ぐために、このカップリング特有のポイントを強化しました。

 

巨大なジグソーパズルに取り組んだ3週間

その後、カップリングの11つの部品はすべて特殊な生産工程で鍛造されました。部品を組み立てるために念入りに計画された次の工程では、ドリル穴のわずかな位置ずれも許されないため、絶対的な精度が要求されました。大きな安全クラッチと、それを取り扱うクレーンを使用するため特に高い天井が必要だったことから、プロジェクトチームはバイエルン州メムブリスから50km離れた同州アシャッフェンブルクに、巨大な安全クラッチ組み立て専用倉庫を借りました。3人のエンジニアが3週間かけ、この巨大なジグソーパズルを完成させました。大きさの都合上あちこちの面から部品を組み立てることは不可能で、11つの部品を片方の面からのみ取り付けるしかありませんでした。「私たちは開き直り、ピザを積み重ねるというアイデアを採用しました。実際に作業を始めると、部品を1つずつ基盤に配置することは、理想的な手順でした。」とRainer Benzは当時を振り返ります。チームはまた、タイムラプス動画でこのワクワクする工程を記録しました。

MSTF-20,000は組付けの最終工程のためにスペインのアンダルシアに輸送することになっていましたが、今度は物流上の問題がやってきました。3.5トンの大型輸送の骨組みにより、21.5トンの安全クラッチはさらに重量を増しました。出荷準備は整ったものの、低床貨物車には1,500kmの走行に必要な幅がありませんでした。フランスでは高速道路でこのような大型輸送を行うことは認められていないため、目的地に到着するまでには3日間かかりました。徹底的な機能試験の後、現時点で世界最大の安全クラッチで保護されているこの製品は、風力エネルギー試験施設に設置するためデンマークに輸送されました。

 

まだまだあります。安全クラッチのパイロットプロジェクト

「この難しいプロジェクトが成功裏に終わり、喜びもひとしおでした。このように極めて厳しい要求に対応できるのは、プロセスを深く理解し、さまざまな視点から物事を考えることができる企業だけです。」とRainer Benzは締めくくりました。世界最大安全クラッチとしてギネスブックへ出願中で、登録されることになれば、喜びにいっそう花を添えることになります。成果として、数百万Nm級のプロジェクトは他にもすでに始まっており、開発チームの太鼓判が押されています。もちろん根本的な部分は同じですので、それぞれのプロジェクトの条件に合った製品がご用意できるでしょう。

 

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